描く力〜クリエイティブ・ドローイングワークショップにむけて

おかげさまで、「[新装版] 7日間で完全マスター 絵が描ける脳をつくる
」の本の重版が決まり、今回は表紙のデザインをリニューアルした新装版が出版されることになりました。(3月15日発売予定)

こうして見ると、「絵が描けるようになりたい」という人が沢山いるのだと実感させられます。

表現アートセラピー画像1「絵が描ける」というフレーズには、スケッチや漫画ではなく、「正しいデッサンが描ける」という意味が大いに含まれているのだと言うことをある時に知りました。

絵を習いに来てくださる人の多くが、写実的に描けるようになることを望んでいます。
それはなぜでしょう?絵を描く基本だからでしょうか?
絵が描けると言うのは、漫画やイラストが描けるというのとは違う、と思う人が多いからなのでしょうか?

子供の頃、無心に絵を描いていた頃を思い出します。描くものは何でもよかった。…リンゴや剣玉。

うまく描くことよりも、描いている時の静寂があらゆる雑多な思いから解放してくれるただ一つの方法なのだと、無意識に思っていたのかもしれません。
絵を描く事は、瞑想することと似ています。

表現アートセラピー画像4子供時代の私は果たして瞑想を求めていたのかは解りませんが、少なくとも当時の私にとっては絵を描く事が日常でした。それが大人になるにつれ、仕事や生活の雑事に追われるようになり、描くことから遠ざかっていた頃、絵を教える機会に出会いました。
そこで、あらためて絵を描くことの大切さと、面白さを再発見したのです。

絵を描きたいと学びに来られる人たちは、本当に真剣にモチーフと向き合い、描き、対話をしていました。クリエイティブドローイングメソッドは、そんな「絵を描けるようになりたい」と願う人へ向けて研究開発し生まれた実践アプローチです。

絵を描く能力は、どんな人にも備わっています。絵は、正しいモノの見方を知ることができれば、誰にでも描くことができるのです。それは私自身が教えるという時間の中で確信を持った体験でした。

「絵が描けない」という大きな観念が、たった5日間で変化して行きます。
実際にそうやって絵を描き始め、やがて成長した人達が、アーティストやイラストレーター、絵を教えるインストラクターとして、アートの世界へと旅立っていきました。

彼らが絵を描くトレーニングを始めたきっかけは、ただ「絵が描けるようになりたい」という夢を持ったことでした。そして、みんな自分の夢を叶えていきました。夢を描くといいますが、文字通り「描く力」は創造性の源となります。
一旦、その力が身につけば、何でも好きなモノを描くことが出来るようになるのです。(夢さえもうまく描けるようになるのです!)

絵を描く事を職業にすることがないとしても、「絵ごころ」があると人生が大きく開かれて行きます。「絵を描く脳をつくる」というフレーズにあるように、絵を描く事は右脳を活性化する効果をもたらします。絵を描く事が認知症の治療にも使われているように、ドローイングはもう一つのアートセラピーでもあるのです。

ただ『今ここにいる』ことが写実を成功させる鍵となります。

表現アートセラピー画像5クリエイティブ・ドローイングメソッドは、ベティ・エドワーズ博士の「決定版 脳の右側で描け」という本にあるドローイングメソッドがベースとなり生まれました。

今や世界的なベストセラーにもなったその本との出会いは20年前になりますが、河出書房新社より増補・改訂を加えた決定版が新訳として出版されました。

河出書房新社は、拙書「絵が描ける脳をつくる」の出版元でもあるので、何かシンクロを感じてうれしくなりました。

その「絵を描く脳をつくる」の新装版出版を記念して、クリエイティブ・ドローイングのワークショップを開催します。

講座では、「絵を描く脳をつくる」の中で紹介しているものから、さらにステップアップし、5日目には自画像に挑戦します。
絵を描く事に親しみたい人や、描けるという自信を持ちたい人、絵を描く瞑想を体験したい人にぜひ参加していただきたいと思います。

Creative Drawing WS 作品