北の地のオリンピック

「初日は、まるで平面の絵を見ているような感覚だったのが、気づいてみると(最終日の)今日はすべてが立体的に見えています」

五日間のワークを終えてホッとした参加者の一人が、本当にホッとした表情でつぶやきました。

私は、その表現にとても共感できるものがありました。私は人好きなのに、なぜか初対面の人に緊張してしまいます。そんな自分にとって、彼女の表現は、我が意を得たりと納得してしまいました。

初めてこのアトリエを訪れた人たちは、皆どことなくソワソワと自分の居場所を探すように過ごして居ます。私は彼ら以上にソワソワとしながら、その光景をつかみ所のない平面の絵を見ているように見ています。

表現アートセラピー画像2しかし、2日、3日と時間を過ごし、最終日になると、皆がまるで家族のようになっているから不思議です。それぞれのパーソナリティが色めき立ち、立体的に映ってくるのです。皆、深い人生の物語を携えてここに訪れてくれたことに気づき始めます。それぞれのストーリーはどれもが興味深く、素晴らしいのです。

夏の北軽井沢のアトリエで過ごす五日間は、日常ですごすそれとは趣も変わり、とても濃くて沢山のことを気づかせてくれる時間です。
今年の夏は、そんな五日間のワークショップをたてつづけに3回こなすことができました。まるでフルマラソンのような日々。

世の中は多分オリンピック一色だったようですが、テレビなど見ない私たちにとっては、ここの地がまるでオリンピックのような熱気に包まれた心を見つめる真剣勝負の舞台でした。

ワークを終えてみると、まるで夢のような時間のように感じられます。
毎年夏の恒例となった「テクニカル専修講座」の五日間は、8つの物語を堪能する体験でした。
濃厚な3D映画を駆け巡るような充実の時間を後に、皆それぞれの日常へと帰って行きました。

表現アートセラピー画像3その余韻をしみじみ味わう時間もままならないうちに、夏の恒例となった「マインド・デトックスワークショップ」が始まりました。
今年は、基礎編に続き、実践的なスキルを学ぶ応用編の講座が加わり、さらにデトックスを極めるには最良の時間を過ごすことができました。
毎年、デトックスのワークに参加してくれた人達は、心身供に本当にスッキリとした表情で帰って行きます。

デトックスは心だけではなく、身体にも良い影響があるからでしょうか?

「あんなに沢山食べたのに、体重は減っていました!」
「頑固な便秘が治った」

表現アートセラピー画像4などという、うれしい報告が後を絶ちません。
デトックスの効果をあらためて感じさせられました。

1つだけ、残念だったのは、夏のワークショップに間に合わせようと執筆していた本の出版が少し遅れ、10月の発刊予定になったこと。

せっかく、参加してくださった皆さんにご紹介することができませんでした。
ぜひ、デトックスのワークを日々活用しながら、秋の出版までお待ちください!

気がつくと、がらんとしたデッキにトンボが行き交い、フルマラソンのような一月が終わろうとしています。

北軽の夏は短く、8月も終わりに近づくと、もう既に秋の気配が漂ってきました。
夏祭りの後の静けさの中、一人デッキのハンモックに揺られながら、ゆっくりと日々の出来事を振り返っています。

表現アートセラピー画像5我がキッチン・ガーデン、豊作の野菜の味。
かき氷や焼きトウモロコシ。
迷い込んだ蛍。
満天の星空の下での花火。

沢山の思い出が生まれました。
集ってくれたみんなの姿に別れを告げるとき、最愛の家族を見送るような気持になるのです。

今度はいつ会えるかな?
また美味しいトウモロコシを食べに来てください。