参加者の声【LIFE Design Workshop in 鎌倉 2017|人生と暮らしを豊かにデザインする】アーティスティックに生きる方法

 私には、人生をアーティスティックに生きたいという漠然とした憧れがあります。その他の多くの願望と同じように、「いつかそうしよう」「とりあえずこうしておこう」とやり過ごしてきました。「“いつか”っていつ?」そんな問いかけが時々浮かんだけれど、長い間やってきた“とりあえず”が習慣化されていて、日常はこんなものだと流れていっていました。どこかで「本当に欲しいものは手に入りっこない」と自分の思いを無下に扱ってきたのだと思います。

 しかし、このWSでは、日常のすべてのことを意識的に選択し、望むものは今すぐに形にできるということを体験することになりました。自分が本当に心地よく、わくわくを感じる生活はどんなものなのか、日常で使う食器ひとつに「まぁ、これでいいか」になっていないか、もし何の制限もなく自由だったら本当はどうしたいのか。これらを見つめることは、ごまかさずに自分の声を聴くということでした。

 私にとってのキーポイントは、自分の思いをひとつ残らず絶対に形にすると決めること、決して妥協しないことでした。この強い意志を持つことが、具現化への大きな原動力だと実感しました。強い意志を持つのは大変な感じがしますが、仲間と共に創造の楽しさの中にいると、もうそんなことを意識せずとも身体はどんどん動いていきました。

 自分の声を衣食住にデザインしていく作業は、毎回全力を尽くし憔悴しましたが、お金をかけずに工夫し形になっていく喜びは、立派なアーティストにならなくても、自分のクリエイティビティを十分に満たすものでした。

 もうひとつ大切なことは、クリエィティブな仲間と共に取り組めるということがどれほど素晴らしいかに気づいたことです。WSの仲間がいなかったら、すべてのデザインを実現することはできなかったでしょう。アイデアと創造の感性を刺激しあう仲間と場所があることは、何よりも一番の宝でした。人それぞれの心地よさと表現がある。皆の作品を見るのが、とても楽しかったです。つい人と比較し自分を卑下してしまいがちな私でしたが、生活というパーソナルな空間での表現だからか、不思議と自分のデザインを尊重し、それをブラッシュアップすることに集中することができていました。

 あまりにも刺激的なこのWSで得たスピリットは、その後も私の生活の中で継続しています。生活のひとつひとつを望むように叶えていくことは小さな成功を重ねていくことであり、日々暮らす環境であるだけに、思った以上にパワフルなエネルギーを自分と家族にもたらしてくれます。

 人生をアーティスティックに生きる方法は誰よりも自分が知っていて、そのクリエィティブの舞台は今ここにある。そう思うと、人生の楽しい仕事は尽きません。

(ワークショップコーディネーター/女性)