流れる水のごとく あなたへ

表現アートセラピー画像2今年は水のように流れ、2014年が終わって行こうとしています。
年の一番終わりの月が師走と呼ばれるように、今年が走り去って行くように。
考える暇もなく過ごしたせいでしょうか、気づくとあっという間の晦日です。
不思議に焦りも無く、流れて行く時間を惜しむこともありませんでした。

 

あらためてふりかえれば、今年の変化は目をみはるほど私を変えてくれたような気がします。
生活も、出会う人も、考え方も。
そんな変化は、新しい自分に出会わせてくれました。
新しい自分は、新しい考えを、真新しい観念を持ち、少しばかり身軽です。
何でもできるような気がしています。

それは、まるで子供が怖れをしらずにあらゆる世界のドアを開けていくように。
それを阻むのは何時も親の取り越し苦労。私達の多くは、そんな心配性の親達に育てられたおかげか、冒険をすることも少なく、その分成長を滞らせてしまったのかもしれません。。

ただ、自分も親でいた時期を過ごしてみると、そんな情けない行いも責めてくれるなと思うのです。
心配という薬を飲ませて、眠らせてしまった内なる子供は、もうそろそろ起きてもよいかと、眠い目をこすって布団の外へと這い出してきたようです。そして、心配性の親の目を盗んで冒険に出るのです。

表現アートセラピー画像3今年のクリスマスは六甲の山で行われるマザーアース・エデュケーション主催のトーテムポールクリスマスのイベントで、表現アートのワークを提供するため西に向かって車を走らせました。
マザーアース・エデュケーションを主宰する松木正さんはネイティブアメリカンのスピリットの素晴らしさを伝えながら、人間の成長をサポートしていている人です。松木さんも集まってくれた参加者の方と一緒に、内なる心の灯火を照らすパーソナルプリズムのワークを楽しんでくれました。

会場に設けた大きな円は、古くから地球上の全てのネイティブたちが持っていた世界観であり宇宙観でもあり全ての人が生命の中に持っているメディスン・ホイール(聖なる環)を象徴しています。環の中に置かれ石は大いなる魂〜グレートスピリットを表しています。一つ一つの石を松木さんは丁寧に並べ、祈りを捧げセレモニーがはじまりました。内なるグレートスピリットと出会いを果たした参加者の人々は、聖なる環の中に、驚くほどクリエイティブに創り上げたプリズムを一つ一つ置か置いて行き最後にキャンドルが灯された時、そこには無限の宇宙が現れたのです。

メディスンホイールの環は、宇宙を表すホログラフィックの世界。
宇宙の中に個(地球や人間)が存在し、その個の中にも宇宙があるというネイティブアメリカンの叡智は、私達に沢山のヒントを与えてくれます。
個が癒やされれば必然的に宇宙も癒やされ、個が個に気づけば、宇宙(神)も神自身に目覚めるのです。

表現アートセラピー画像4なんということでしょう! 私達人間が神の役に立つことができるなんて…。
そんな法外な妄想を描いてしまうほど、環・ホイールの中にキャンドルの灯に照らし出された数々のプリズムはどんなに美しかったことか…。
あらためてこの地で出会った人と、この夜を過ごせたことを心から感謝しました。

関西への旅の終わりには、自然豊かな神戸の山で今年最後のインナーチャイルドのワークショップを行いました。
深い森の中で時間の止まった世界に取り残された内なる子供たちの声と共に過ごした2日間。
在るがままの自分を忘れてしまった子供は、感情を押し殺すか、愛する人に粉々にしてぶつけることしかできず苦しんでいました。本当は愛することしかしたくないのに…。
私達は神である宇宙から生まれる時に渡された持ち物は、愛と勇気と喜びだけなのに、いつしかそれをどこかに忘れてしまったのでしょうか? 大いなる魂(グレートスピリット)とのしばしの別れは、怖れや哀しみに色を変えてしまったのかもしれません。

それは、宇宙の流れを信頼せずに、なけなしの力を振り絞って、流れに逆らい上流に向かって、ボートをこぐような荒行なのです。
「幸せとは、辛いことを乗り越え、がんばってこそつかむ物」そんな伝説を信じて生きる内なる子供たちにどれほど沢山出会ったことか…。

水が高いところから低いところへ流れことは誰でも知ってるけれど、その流れを信頼し共にあることを何故か人は出来ず、あらゆるものを変えようと、または変わることを拒んだりします。
流れとは、エネルギーが楽しそうな場所を探して流れて行くようなもの。それは、まるで神が「楽しむことだよ」と教えてくれるように。それが自然の摂理、宇宙の法則なのです。
しかし、心配性の親は、楽しむよりも、頑張ることを、頑張れない自分を責めることを教え込んできたので、子供だった私達は、その教えを今でも信じているのかもしれません。

その一つ一つを手放し、自分を自由にする時は今です。
自由と孤独はセットになどなってはいないのに。孤独を怖れ、独り自由になることを拒むことなど無用です。なぜなら、自分には内なるスピリットや希望を忘れないワンダーチャイルドが息づいているのだから。それを思い出してほしくて、(自分が一番忘れたくなくて)私はこうして残る人生の流れの中で、出来るだけ沢山の人に表現することを伝えていくことが、今自分がしたいことなのだと思えます。

表現アートセラピー画像7今この瞬間の自分の感じていることを表現する度、人は新しい自分を知り、自分を創り、新しい自分を経験します。人間が創造主であり宇宙そのものであるという考えは、このメディスンホイールの根幹となる考えに等しいのでしょう。
「今、この瞬間の自分」とは、命そのもの。在るがままの自分です。
今を夢中で生きれば、意識は過去を彷徨うことも、未来への不安に押しつぶされることはありません。

魂の声にしたがって進むことが、流れに乗ることです。
自分の「楽」を求めることから逃げずに、希望に向かって流れていくこと。
それが本当の自分に出会う近道。
どうか、本当の自分の道を生きることから逃げずに生きてください。
流れる水のように。

新幹線なら2時間足らずに辿り着く場所なのに、関西はなぜか異国に居るような気にさせてくれます。そんな身近な異国気分の中、時間を惜しんでいろんな人と会いました。
寝る時間を惜しむように、やりたかったこと、やるべきこと、やってみたいことをこなして、
師走の風のように過ぎていった旅でした。

表現アートセラピー画像6さよなら2014年。
今年別れそして出会った人に。
心から感謝をこめて。

あなたとって、もうすぐ出会う明日が、すばらしい光で照らされる時でありますように。
楽しい一年でありますように。

なけなしの、ありったけの愛を贈ります。
ありがとう。
出会ってくれたこと。
手放してくれたこと。