師走を走る

気づくと早12月。2008年も終わろうとしています。
どこからか、師走の音が聞こえてくるようです。

12月の大阪ワークショップのテーマは音。
音はいろんなものから生まれます。
楽器から、身体から、そしてただの空き缶からも。
その昔、人間がはじめて造った音は、何かを叩いた音だったのだと思います。そして、声。

表現アートセラピー画像1表現アートでは、様々な感覚を使って、自分の感性を刺激していく先に起こる何かを見つめるのですが、今回も興味深い体験をしました。

楽器を弾くとなると、これは修練が求められますが、何かを叩いたり、声を出したりする行為は誰にでも出来る・・。

と、思いきや、この音に対する抵抗感は、その感覚に慣れていない人には難しい作業となってしまいます。
それは、音を出すという行為は何か特別な目的や、認証がないと難しいと感じてしまうからかもしれません。
それが感情を伴う声であっても、制限を感じてしまうのです。
これは、ワークショップという場だからとは限りません。
一人でいる時も、私たちは音を出さない生活に慣れてしまっています。

性格的に常に騒がしい人などは例外かもしれませんが、山の中で一人で生活をしていないかぎり、大声を出す機会はあまりありません。

せいぜい、カラオケぐらいでしょうか。

そんな現代人の私たちにとって、音を造る、楽しむというワークは一つの大きな通過点なのかもしれません。

声はダイレクトに感情に繋がります。
自分の声を聴くというプリミティブな時間を通し、様々な感情にふれることができた2日間でした。

大阪での講座も今回で3回目を終えました。
大阪に行くことを楽しみにしていた理由の一つに「食い倒れ」があります。

大阪のメインイベントは食い倒れるまで美味しい物を食べることだったのですが、現実は寂しいものです。
まだ夜が明ける前に家を出て(写真は夜明けの東京です)大阪の会場へ直行。
次の日も終わったら、新幹線に飛び乗って帰るので、目指す食通の店には行く時間がありません。(泣)

まあ、そうは言っても、大阪の良さは、どこの店もそれなりに美味しいということ。
会場は人通りの少ない(店も少ない)場所にあるのですが、その中の一軒にちゃんと美味しいうどん屋さんがありました。
他に選択肢もないので、そのお店に毎回通うのですが、そこのお店の定員さんがとっても素敵な人なのです。(20代かなあ・・)

表現アートセラピー画像2お客さんに対して本当に明るい笑顔で対応しています。
たったそれだけなのことなのですが、その人を見ていて、なんだか幸せな気持ちになりました。彼女の笑顔はとても自然で、心からその仕事を楽しんでやっている様子が伝わってきました。
仕事を活き活きとこなしている人を見るのって、なんだか気持ちの良いものです。

大阪ワークショップでの濃い時間と、うどんやさんでの体験をおみやげに、東京への帰路に着きました。
東京に着いたのはもう深夜になっていました。家近くの駅からタクシーに乗ったのですが、その運転手の態度は本当にがっかりするようなものでした。

1日のうちにまったく違う体験をしたのですが、いろいろと気づくことがありました。

当たり前なことなんですが、どんな仕事をしていても、その仕事に誇りを持ち、やりがいを見出し、満足しながら仕事をしている人は素敵です。

仕事の種類ではなく、自分が選んだ仕事を、楽しそうにしているということは、凄いことなんだなあ・・とあらためて思うのです。

こんな事を書きながら、自分はどうかというと、このところ最近、ブログを書く余裕なく過ごし、気づくとため息など漏らしてしまいます。

理由は・・来春出版の本の原稿に追いまくられ、日々悪戦苦闘しているためなのですが、さて、ここで気持ちを改め、泣き言を言いたくなるときは、大阪のうどんやさんを思い出し、今年を走りぬきましょう!

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