空の器 手放すことを学ぶ〜リリースワーク

夏の雨に浄化されたあと、二つ目のワークショップがはじまりました。

このワークのテーマは「手放すこと」

ひとたび自分の心の奥深く眠る記憶の倉庫をのぞいたら、そこには溢れるばかりの想いや感情がつまっていることでしょう。それらはまるで、器いっぱいになり、停滞してしまった水のよう…。水は、流れていなければ濁ってしまいます。だから、必要なのは、それらを流して、つねに新しい水を受け入れるスペースを創ることです。

しかし、これはまるで、手つかずになった倉庫を整理するような気が重い作業を連想させるかもしれません。私達は、どれほど沢山のものを抱えて、今の人生を生きているのか、途方もない作業を目の前にしてめまいを起こしてしまうのです。

表現アートセラピー画像2私達人間は、本当に心の安楽を感じるためには、この浄化という清掃(手放すこと)の作業を避けて通ることはできないようです。
掃除が好きな人は良いのですが、やはりだれもが一度は「面倒」な作業だと感じた経験があるでしょう。始める前はそうとう憂鬱です。(私自身も!)

でも、はじめるとこれがなかなかトランスします。笑
次から次へと、汚れや片付いていないところが気になり、際限がないように感じる事も…。
しかし、だんだんとリリース(手放す)のプロセスが進んでくると、なんだかとても楽に、軽くなっている自分に気づきます。
そのとき、自分がどれほどの荷物を背負ったまま、飛び立とうとしていたのかを思い知ります。ひとたび、この心良さを知ると、手放すことが楽しくなってくるのです。そうなればあなたは心地よい波に乗っているという証拠でしょう。

さて、手放すということについて、語ってきましたが、いったい何を手放すのでしょうか?

それは、いろんな執着、抵抗感たちです。
「解って欲しい」という願い。
「我慢するしかない」という十字架。
「愛されたい」という切なる想い。
「用心しなければ」という不安感。
どれもが手放すどころか、持っていないと困ったことになってしまうような気さえしてきます。だから、手放せない。しかし、このような凝り固まったエネルギーを持つ想いが実は、自分に同じようなエネルギーを引き寄せる原因を創っているとしたら、どうでしょう?

あわてて、手をふりほどきたくなるかもしれません。笑
しかしね、それも一瞬です。

皆、捨てたはずのそのゴミをまた拾ってきてしまう。
「もったいない…」
「また、いつか、必要になるかもしれないから…」という呪文にかかって、頭で解っていても、やめられないという人間の性的行動パターンがそうさせるのでしょう。手放す決心をして、自分でワークに参加した人でさえ、その呪文が始終頭を巡ります。
手放すということを奨励するメソッドや教えは沢山あります。リリーステクニックを伝える「セドナメソッド」や、記憶のクリーニングを奨める「ホ・オ・ポノポノ」、そして様々な「赦しのワーク」等。どれもが強力で効果のあるメソッドなのです。

表現アートセラピー画像6しかし、どうして解放される人と、そうでない人がいるのでしょうか?
それは、自分自身が解放されることを拒否しているから…、という要因があります。楽に幸せになりたいという自分と、楽になってしまうと困る自分(自分を楽にさせないという気持)。

どうして、自分の中にこんな正反対な自分がいるのか不思議ですね。その相反する両価感情を持っているのは何なのかを知ることが、手放す作業をスムーズにすすめるヒントなのでしょう。

そこで登場するのが、いつもの主役「インナーチャイルド」です。リリーステクニックで関わるのも、クリーニングプロセスで語りかけるのも、すべてこのチャイルドが対象なのです。自分の内なる子供とのコンタクトは、時に難しさや抵抗感がありますが、この抵抗感を手放すことで、
より深い関わりを持つことができます。

手を変え品を変え、という少し乱暴な表現ですが、いろんなツールを総動員することで、誰もが自分の奥深い記憶の貯蔵庫へとたどり着きます。そして、その迷宮の中で繰り広げる作業は、ただひたすら捨てること。そうしていつしか、だんだんと器の姿が見えてきます。その器には何も入っていません。

表現アートセラピー画像7「空の器」

それこそが、自分の求める知恵を受け取る器なのです。

仏陀が「器が水で一杯になっている人には、真理を受け取ることができない」という言葉を残しています。真理は、常に流れる水のようにそこにあり、私達はただ必要な時に、それを受け取る空の器であれば良い、ということでしょう。私達は、まるで器一杯になった杯を天に向かって差し出し、もっと欲しいと願っているのかもしれません。

幸せは願うものではなく、ただそう在るだけの状態なのです。
器そのものが幸せの状態や波動を持っているという存在であること。

自分が実は、もともとはそんな存在であることを思い出すこと。

表現アートセラピー画像8 そのために、器が渇望や抵抗で溢れ、あふれた沼の底に沈んでしまったその器を探しだし、すくい上げ、器の中のよどんだ水をすべて流すこと。それが、幸せへの作業なのでしょう。

秋から始まる様々な講座は、この解放そして、クリーニングの手順を伝えるための基礎となるものをご紹介していきます。
お楽しみに。