夏の夜の夢

表現アートセラピー画像2タイトルはシェイクスピアの有名な戯曲の題名ですが、今年のテクニカル専修講座は、ドラマティックでした。

テクニカル専修講座という題目はあるのですが、ほとんど毎回実践ワークに明け暮れるコースとなります。
学びたいモードまんまんにやってきた人達も、ひとたび山のアトリエに入山(?)すると、モードはチャイルドに切り替わってしまうのでしょうか?

日常のバランス感覚は此処では役にたたず、ただ、胸のなかのざわざわ感覚が気になり出します。そんな言葉にならない感覚は、ただひたすら、絵を描いたり、身体を動かすことで、次第に心ほどけていくのです。

表現アートセラピー画像33日目までかたくなに閉じていた扉も4日目のドラマのワークに突入したとたん、舞台の緞帳がスルスルと上がっていきました。
「演じるなんて、ぜったいに無理・・」とつぶやいていた人達が声を振り絞って、叫び、泣き、笑いました。

私たちはこの人生でも、何かの役割を演じているのかもしれません。
もしかしたら、魂にとっては、意図と反する人生にとまどい、その意味を探し求める旅の途上なのかもしれません。

もしも、自分の可能性を疑ったり、才能に絶望しているときは、それはたぶん、魂のシナリオに反するストーリーに甘んじているのかもしれません。
そのときは、思い出して、もう一度自分のやりたい役割を選択して良いのです。

表現アートセラピー画像4それに気づいたとき、人生の新しいドラマが始まります。

どんな役割であれ、それを活き活きと演じきったとき、満足して終えるとき、魂は沢山の成長を遂げているのだと思います。

今年の夏の舞台は静かに始まり、ボレロの旋律のようなクライマックスを迎えました。

誰もが心の幕を開け放ち、自分とそして人と繋がることを体験しました。
ロールをこなし、踊る彼らの横顔は希望に満ち、苦悩さえも喜々として演じきっていました。

夏の夜の夢は儚げですが、ここで体験した時間は、リアルに彼らの心に夢の種を蒔いてくれたのだと感じられました。

しっかりと花開く夢の種。

夏の夢は覚めてしまう夢ではなく、現実の明日を創る夢となって、彼らの心の中に今も在るはずです。

舞台が終わった後、アトリエの床を拭きながら、彼らの残したエネルギーを感じつつ、夏祭りの終焉をかみしめました。

来てくださったみなさん。
本当に楽しい時間をありがとう。
どうぞ、夢を実現させてくださいね。

また 逢える日を楽しみに・・。

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