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信頼について

人間関係が深まるにつれ、信頼について考えさせられることがあります。
そもそも、信頼とはどんな意味があるのだろうか?と辞書でしらべてみると、「信じて頼る」とありました。

信頼されたとたん、頼られるのは、うれしい反面ちょっと荷が重い感じがしませんか?
信頼とは、ある意味、期待を裏切られるリスクを妊んでいるものなのかもしれません。

人(他者)に期待をする傾向がある人は、しばしば「裏切られる」という体験をします。裏切られた方はそうとう酷いことをされたように感じるけれど、相手はというと、自覚がないことのほうが多い。

それは、相手と約束を交わしたわけではないのに、自分が勝手に、「そんなふうにしてくれるだろう」「そういう展開になるといいなあ」と期待していた読みが外れただけに過ぎないからです。

そのようにして「裏切られる」という体験を重ねることで、だんだんと期待しなくなり、果ては信頼すること自体、恐ろしいことになってしまう。考えようによっては、この事態のほうがよっぽど恐ろしい。

信頼とは、自分の中で起きる状態なのに、おかしな事に、まるでお互いに約束を取り交わしたような錯覚に陥ってしまうのです。

あらためて「信頼」とは、相手がどのような態度であっても、相手の源である中心を信じつづけるということなのだと思うのです。